「家族ゲーム」監督:森田芳光、主演:松田優作


家族ゲーム [DVD]

家族ゲーム [DVD]


何度か見てるんだけど、
もう一度見たくなって。


もっと異常な感じの内容だったかなと思ってたけど、
意外と普通だった。
最後の食事のシーン以外は
実際、実は誰もが行っているようなことで。
誇張して表現することで
あたかも異常な行為にみせている。


しかし、そう思ってしまうところが
自分と世の中が確実に変化してきてるんだなぁ
という気がしないでもない。




シリアスな状況ほど
笑いに転換されやすいためか、
テーマ時代は暗く重いはずなのに
決して映画自体をそうさせずに、
基本的にコメディにしてしまっている。


家族が横に並んで食事するシーンは
あまりに有名だけど、
家族の関係がこの絵に一枚に凝縮されているようで
徐々に違和感なくなってしまうところが
見ていて不思議である。


「キレル」とか「ヒキコモリ」とか
もしかしたら「イジメ」とかも
まだそういう言葉の無い時代。
やっぱり言葉が無いと
捉え方も抽象的になるっていうか
漠然としたイメージしかなかったんだなって。
今ではそうしたイメージがある程度
現状と相対的に捉えることができるから
普通に感じてしまうんだろうな。


でも音楽とか一切使ってないところとか、
カメラの廻し方とか、
不思議なアングルとか、
照明の当て方とか、
名作は何度見ても新しい発見があるね。
特に漫画的なのが日本独特の感じにしているんだなと
今回思った。
見ごたえのある映画であることは確か。


あと最初伊丹十三に気づかなかった。
脇役で出てるだけかと思ってて。


★★★★☆