「拒否できない日本」関岡英之著


拒否できない日本 アメリカの日本改造が進んでいる (文春新書)

拒否できない日本 アメリカの日本改造が進んでいる (文春新書)


著者は銀行員として10年程勤めた後早稲田の大学院に編入し、
石山研で修士課程を修了するという異色の経歴の持ち主。


グローバリズムという名の元に推し進められるアメリカ化。
その独善的な態度に痛烈な批判を込めて書き記したもの。
過激な内容、文章、文体からは
疲弊した日本の現状を見過ごせない作者の強い憤りを感じる事が出来る。
そしてアメリカの要求に抗えない日本にも鞭を打つ。




建築基準法や商法の改正、あるいは司法制度に至るまで
すべてはアメリカのシナリオ通りに動いてるようだ。


実はこれらはすべて自国の利益のみを追求した
とんでもない横暴のようである。
年次改革要望書」の内容を見れば明らからしい。
これらの背景にはアングロ・サクソン特有の
競争社会、個人主義が根っ子ににあるのだとその思想的背景にも迫っている。


ただ、著者も最後に述べているように
こうした要求の背景にはすべて日米間の安全保障問題があるのだろう。


あまりに一方的な描き方に疑問は残るものの、
まったく無視する事は出来ない内容が多々ある気はした。
だからといってどうすればいいのか分からないけど。


★★★☆☆