「タンポポ」伊丹十三監督


年末にやってた伊丹十三特集で
マルサの女
マルサの女2」
ミンボーの女
スーパーの女
マルタイの女
を立て続けに見て、
そいえばこれ面白かったなぁって思い出して借りてみた。


しかし、こんなだったっけ?
なんか途中に関係ないエピソードがいっぱい挿入されてて、
ラーメン屋再建のメインストーリーが半分くらいしかない感じ。


ただこのエピソードが
食にまつわることだけは共通していて、
あとは全く関係のない話なんだけど
どれも伊丹さんならではの
毒とスパイスが存分に効いてて面白い。


まだ社会問題に斬り込んでいく前で、
とても自由に撮りたいものを撮ってる。




そして若かりし頃の渡辺謙役所広司が見れるのもよい。
今みたいなクサミがなくて、とても初々しい。
おなじみの山崎努宮本信子をはじめ
個性的な役者たちがとても活き活きしてる。
いい映画というのは、
こうした役者に恵まれて初めて生まれるものなんだなぁ、やっぱり。


そういえば、関係ないけど
大学受験の予備校生時代に、
よく友人と映画館に行ってたような気がするけど、
ミンボーの女スーパーの女だったかな?)も
たしか観に行ったなぁとか思い出した。
あの頃はただ映画を真っ直ぐに観て
その時純粋に楽しむかどうかだけだったような気がする。
今だとなかなかそうもいかないなぁ
色んなもの比較しちゃうし、
どこか一歩下がったところから距離を置いて観ちゃう。
ああ、ここはその手法ね、みたいな。
あの頃みたいに純粋に楽しむことの難しさを痛感した。
いや、それなりに楽しんでいるんだけど、なんとなく。


それにしても
まったく今この時代に監督が居ないことが、
ほんとに惜しまれるなぁとつくづく感じた。


★★★★☆