「伊東豊雄 建築 / 新しいリアル」展 


東京オペラシティーアートギャラリーが家から近いので行ってきました。


総じてよく出来た展覧会でした。
台北メトロポリタン・オペラハウスの巨大模型から
瞑想の森 各務原市営斎場の曲面屋根を再現した床、
原寸模型、壁一面の原寸図等々。
タイトル通りリアルに建築を感じる体験型の展覧会。




彼の建築は子供からお年寄りまで楽しめるという点ではすばらしいと思う。
一目で何がやりたいのか、何を夢見ているのか分かりやすくていい。
説明とか要らないし。
エマージンググリッドとか、
そんな建築家向けのキャッチフレーズなんて不要でしょ。
たぶん「新しいリアル」ってそういうことなんじゃないかとも思う。
建築という概念を知らない人でも理解できる、
身体で感じ取ることができるもの。
もちろん、ちょっと間違うと危険な方向に行きかねないし、
どれほどの経済合理性があるのかなと思うことはあるけど、
そんな事は超越してしまっている。
圧倒的な想像力で同時代的な夢に乗せてしまえば許されることなんだと納得。


最後の展示スペースには彼の事務所が辿ってきた歴史が
数々の資料と共に並べられている。
せんだいメディアテークでは「樹木のような柱が邪魔」という
展示する芸術家サイドからの一方的な新聞記事があって、
それに対する原稿用紙10枚ほどの質問状が。
懇切丁寧な文章ながらも厳しい文言で書かれていて、戦ってるなぁって感心しました。


★★★★☆