「未来世紀ブラジル」監督：テリー・ギリアム

昔観たブレードランナーみたいな
暗い感じの映画かなって思ってたけど、
ちょっと違ってた。
もうちょっとコミカルな感じ。
ただし、
全体の雰囲気は相当な狂気に満ちていて
テリー・ギリアムがつくりだす
世界観が圧倒的であるがゆえに
ばかばかしいくらいに
恐ろしく、美しく、魅惑的。

情報管理社会への警告的な意味も踏まえて
アメリカ的なブラックユーモアも満載で
全体にシニカルなつくりになっている。
社会におけるテロへの位置づけなんかも
十分現代にも通じるテーマを感じさせる。

極端に個人情報が管理された未来における
抜け落ちてしまった理性の欠けた感覚のためか
不条理小説を読むかのごとく
平衡感覚を保つのが難しかった。

1985年公開だけど、
その頃の未来感ってこんな感じだったのかなって
ちょっとレトロな感じさえ漂っている。
もちろん意図的な面もあるんだろうけど。。。
そのせいか正直、全体的に
期待したほどのインパクトは感じなかった。
最近は現実世界の方が
よっぽど想像を超えてしまっているような気がする。

★★★☆☆