「バグダッド・カフェ」監督：パーシー・アドロン、主演：マリアンネ・ゼーゲブレヒト

なんか最高にいい映画だった。
素直にそう言い切れるすばらしい作品。

時折挿入される印象的な色の演出のカットや
テーマ曲「コーリング・ユー」が
文句なしにこの叙情的な風景にマッチして
気分を高揚させ、
不思議な雰囲気をつくりだしている。

アメリカ西部。
周りに何もない砂漠の
大都市間を結ぶような道の片隅(※1)にある
寂れたカフェ（＋モーテル＋ガソリンスタンド）に
一人の太ったドイツの女性がやってくる。

その場におよそ相応しくない格好の彼女であったが、
そこに居る一癖二癖ある人々は
徐々に心を開き、活き活きと変わっていく。
その様子を見ているだけで
妙に心が温まってしまう。
人と人が通じ合うことのすばらしさを
こんな形で見せてくれるとは
思いもよらなかった。

何より存在感抜群の
まんがチックなおばちゃんが
すばらしくチャーミングである。
全く異なる人生を背負って生きているような人々をも
一つにしてしまう彼女の求心力は
よくわからないけど、
多分丸々しているところが重要なんだと思う。

それにしても、ソフトが古く、
ビデオをただDVD-ROMに焼いただけという代物で
メニュー操作ができず、
最初字幕が出ないのかと思って焦った。。。

(※1)日本でいう地方の郊外と違って、物理的にもほんとに何もないような殺伐とした場所。アメリカのような巨大な土地において元々都市と都市を結ぶ通過点でしかない場所と後天的に通過点となってしまった日本の郊外との違い。だからこそ、その乾いた空気感は圧倒的に違う。

久々に
★★★★★+