「ほえる犬は噛まない」監督：ポン・ジュノ、主演：ペ・ドゥナ、イ・ソンジュ

こんなに韓国映画のレベルが高いとは知らなかった。
いい意味で遠慮がない。
こういう直球勝負、
日本映画にはなかなか無いんじゃないかと思う。
設定から突拍子なくて
ブラックなユーモアもセンスがいい。

大学教授になかなかなれず、
妻に働いてもらいながら
マンションでだらだら過ごす男が、
犬の鳴き声に悩まされた挙句、
犬を殺めてしまおうとする。

一方同じマンションの管理事務所で働く
どこか抜けている天然で直向な女性は
ぱっとしない日々を過ごす中、
そんな現場を目撃する。
「リンダリンダリンダ」の
ペ・ドゥナがこの役を演じている。

結構色んな話が盛り込まれていて
賄賂、ホームレス、動物虐待etc...
社会風刺的な側面もある。

どこかヌーベル・ヴァーグの匂いさえ感じさせる
軽快なジャズのリズムとコマ割りによって
そうしたテーマながらまったく重たくならず
一コマ一コマが気の利いたコミカルな人間劇場と化している。

監督は山下敦弘監督とも親交があるらしい。
確かにリアリズムに通じるところがある。

★★★★☆