「熊を放つ(上・下)」ジョン・アーヴィング(翻訳:村上春樹)


熊を放つ〈上〉 (中公文庫)

熊を放つ〈上〉 (中公文庫)

熊を放つ〈下〉 (中公文庫)

熊を放つ〈下〉 (中公文庫)


読んでて久々時間を忘れた感じがする。
特に途中のノートブックの章が退屈だっただけに、
その反動かラストのクライマックスは一気に突き抜けた感じ。
最後まで読んでよかった。


描写力のすばらしさは作者によるものなのか、
翻訳者によるものなのか判断はつかなかったけど、
おそらく両者の世界観に多くの共通項あるがゆえのもの。

ラストの方では何ともシュールな情景が
眼の前に鮮明に浮かび上がる。
というほどの臨場感がすばらしい。


それにディテールに抜け目がない。
痛いところを突くというか、
痒いところに手が届くというか。


内容的にも詩的かつハードボイルドな、
個人的に好きなタイプの小説だった。
ガープの世界」も読んでみよ。


とは言いつつ・・・途中のだらだら感に
★★☆☆☆