「クワイエットルームにようこそ」脚本・監督:松尾スズキ、主演:内田有紀


を見ることができた。
東京だともう渋谷シネパリスのレイトショーでしかやってない。




監督が劇団「大人計画」の主宰者なだけに、
どこか舞台の要素が含まれているような気がした。
特に笑いのセンスに関しては多分に演劇的である。
あるいは古典的というのかもしれない。
わかりやすかったり、
誇張された表現だったりとかいう意味で。
ただそれは逆に映像に頼りすぎていないというか、
役者の力を思う存分に見せてくれている。
豪華な出演者たちに彩られて
映画全体はある種の清々しさに通じている。




目が覚めたら精神病院に送られていた女性。
病院内の患者達と出会いながら
徐々に彼女の複雑な過去があらわになっていく。
と同時にその過程で深い人間模様が描かれながら
彼女自身の問題が整理されていく。


極限状態の人間。
共感はしないけど理解していく
というのは正しくないかもしれないけど、
何かしらの真実が見え隠れする。


途中かなりグロテスクな表現や演出もあるけど、
正常と異常、嘘と真実、過去と現在・・・
色んなねじれがうまく描かれている。


★★★★☆