「きわめてよいふうけい」ホンマタカシ


きわめてよいふうけい―SHORT HOPE 中平卓馬

きわめてよいふうけい―SHORT HOPE 中平卓馬


写真家中平卓馬は多量のアルコール摂取によって
記憶のほとんどを失った。
しかし彼は再び写真を撮り始める。


中平卓馬を敬愛するホンマタカシ
そんな彼の日常を追いかけながら
眼にするものを写真に納める。


ホンマタカシ
きわめて純度の高い写真に写し出される
中平の姿や風景は
「今」を閉じ込めた永遠性を感じさせる
日常とは別世界のようで不思議である。


そして
ショートホープの箱の上に書かれた
「きわめてよいふうけい」


★★★☆☆

「鏡子の家」三島由紀夫


鏡子の家 (新潮文庫)

鏡子の家 (新潮文庫)


時代は違えど、今と変わりない生きることへの
不安、焦燥、倦怠などが
生きる美学とでもいうべき
三島のストイシズムによって
美しく精緻な文体と文章表現をもって描かれている。

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「東京、きのう今日あした」伊藤滋


東京、きのう今日あした (NTT出版ライブラリーレゾナント)

東京、きのう今日あした (NTT出版ライブラリーレゾナント)


東京の教科書といった感じ。まあご年配の都市計画家が書いた真面目な(本人は読みやすいように面白くと言っているが)本なので正当な意見ばかり並べられ、正直面白く、はない。。。ただ、長きに渡って東京の変化を見てきているだけあり、経験知識に富んだ包括的な内容である。最低限の知識として身につけておかないとダメなことも書いてある。明日には忘れていそうな内容なのでメモ的にまとめておく。

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「消費社会から格差社会へ(中流団塊と下流ジュニアの未来)」三浦展・上野千鶴子



現代社会の問題に精通する二人が消費・格差に焦点をあてて、ジェネレーション、ジェンダーといった様々な尺度をもって論じている。表と裏、背中合わせの関係にあると二人が言うだけあってとても息があった掛け合いで、よくこれだけ気の利いた会話が出来るなぁと感心。ほとんど編集してないんだろうけど、最初から最後までテンポよく一気に読ませてしまう。

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「4ヶ月、3週と2日」監督・脚本・製作:クリスティアン・ムンジウ、主演:アナマリア・マリンカ



ちょっと薦められたので観てみました。
2007年カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作。


期待し過ぎたためか、
それほどのインパクトは受けなかったけど、
脚本・演出・役者のどれをとっても
映画としてクオリティはすばらしく高いと思った。
無駄な脚色など一切無い。

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「荒木経惟の写真術」


荒木経惟の写真術 (フォト・リーヴル (05))

荒木経惟の写真術 (フォト・リーヴル (05))


さらっと読める本。
3人の若手写真家がアラーキーにインタビューする形式になってる。
基本は写真術がテーマのようであるが、
話は色んな方向に飛び交う。
思いつきで、どんどん言葉が出てきてるかのようにだが、
語る内容どれもが本質を付いている。
と同時に引き出しが豊富であることが
ひしひしと伝わってくる。
彼は天才かつ努力家なのである。


インタビュアーは
笠井爾示、ホンマタカシ、ニック・ワプリントン。

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「家族ゲーム」監督:森田芳光、主演:松田優作


家族ゲーム [DVD]

家族ゲーム [DVD]


何度か見てるんだけど、
もう一度見たくなって。


もっと異常な感じの内容だったかなと思ってたけど、
意外と普通だった。
最後の食事のシーン以外は
実際、実は誰もが行っているようなことで。
誇張して表現することで
あたかも異常な行為にみせている。


しかし、そう思ってしまうところが
自分と世の中が確実に変化してきてるんだなぁ
という気がしないでもない。

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